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頭痛

鍼灸による治療

慢性的な頭痛の多くは機能性頭痛と呼ばれるものです。脳や全身の重大な疾患が原因となっている器質性頭痛と違い、生命の危険はないものの痛みの強さ、その持続性から日常生活に支障をきたすことは少なくありません。しめつけるような痛みの筋収縮性頭痛や、拍動性の片頭痛なども機能性頭痛に分類されます。持続する痛みで集中力はとぎれ、イライラも募り、時には吐き気さえもよおします。

後頚部から後頭部の筋肉が緊張して起こる筋収縮性頭痛は頸肩、頭蓋部の筋緊張によって起こります。しめつけるような、非拍動性、持続性の慢性頭痛で、頭重感を訴える人も多く、長時間のうつむき気味で仕事を続けることなどによって、後頚部の筋肉が伸長を強いられ、緊張をして痛みが生じる頭痛なので当然、首のこり、肩こり、眼精疲労などを伴います。目の奥や周囲に分布している神経と、後頭部に分布している神経は脳脊髄の同じ領域から出ています。頭痛の際、目の奥が一緒に痛く感じるのはこのためです。

慢性頭痛の代表的なものが片頭痛です。片頭痛は血管性頭痛ともいわれるように、頭の片側だけがズキンズキン、あるいはガンガンと拍動する痛みが特徴で、そのメカニズムは血管拡張によって周囲の神経が刺激されて痛みが起こるといわれています。多くは片側性で、疲労・ストレス等で誘発される傾向があります。痛みの直前に眼前にチカチカと光が点滅する閃輝暗点などの前駆症状が現れる方も少なくありません。頭痛が始まって2~3時間で症状が軽快するケースもあれば、2~3日痛みが持続するケースもあります。個人によって異なりますが片頭痛は月に1~2回、または週に1回くらいの頻度で起こり、吐き気やめまいを伴う場合もあります。十分な睡眠や休息に気を配りつつ治療を続けることが症状改善の近道です。頸肩の筋肉には、脳から出た神経が直接コントロールしているものがあります。そのため精神的なストレスが頸肩の緊張を引き起こし、頭痛の原因となることも多いのです。

東洋医学的では外からの害になる刺激「外邪、外感」や私たちの身体の不調「内因、内傷」によって頭部を走る経絡の流れが障害されたと考えます。外邪が強くても、それを受け入れてしまう内因・内傷がなければ頭痛は起こりません。風寒湿熱などの外邪・外感、感情の動きに関わる内因、そして痰湿・お血・肝陽亢進・腎虚・気虚など臓腑機能の不調を表す内傷と原因はさまざまです。東洋医学の病理概念でも頭痛の原因が多岐にわたっているのがわかります。

頭痛に対する鍼灸療法

機能性頭痛に鍼灸が有効であることは一般にはあまり知られていないかもしれません。慢性頭痛の八割を占めるともいわれる片頭痛や、それに次いで多い筋収縮性頭痛に効果があるほか、眼、耳,鼻、歯などの異常、頚椎の異常等によって起こる頭痛なども,原因と程度によっては鍼灸治療で改善します。
緊張性頭痛の治療では血流が阻害されている筋肉の過緊張をゆるめ、血行の改善を図ります。また片頭痛の治療は頭蓋血管上の圧痛や頸肩部の緊張部位に刺鍼するほか、血管運動を安定させるために自律神経系を調整する目的で体幹部や手足にも刺鍼します。

鍼治療では経穴への刺激が中心になります。まず、側頭部の経穴では完骨、角孫、風池、天柱がいずれも頭痛には効果的な経穴です。特に角孫は頭痛、後頚部の強張り、眼の疲れと痛みに効果的なので、緊張型頭痛には最適です。
後頚部の経穴では天柱が頭痛、後頚部の強張りに効果的で、上肢では神門と合谷が頭痛によく効く経穴です。下肢の経穴の中では陽陵泉が頭痛の治療に欠かせないポイントとなる経穴なので、特に時間をかけて念入りに施術する必要があります。経穴以外では、眉毛の中間、眉毛の上、前頭部への軽い刺激も効果的です。

その他の治療穴としては和りょう、陽白、太陽、懸顱(けんろ)、百会、肩井、心兪、中かん、列缺、足三里、三陰交、懸鐘などが挙げられます。

マッサージによる治療

虚血圧迫法

虚血圧迫というのは、トリガーポイントを不活性化させるための手技です。まずロープ状になった筋の緊張体を捜し、その中に感覚が過敏になっている部分、つまりトリガーポイントが生じている所を捜します。その部位を逃がさないようにしっかりと捉えて圧迫して行きます。不快感が出る限界近くまで圧力を加えて、血流を一旦途絶えさせます。(20秒~1分間)その後その圧迫を解放すると、新しい血液が流れ込み、逆に充血の状態になり、これを行う事でトリガーポイントが不活性化して行き、痛みが和らいでいきます。
通常ですと20秒ほど押し続けて解放すると、当初よりも痛みが和らいでいます。和らいだらもう少し圧迫を強めます。これを数回繰り返しますと痛みが軽くなって来ます。しかし虚血圧迫でもなかなか痛みが和らがない場合があります。そのような時は無理をせず、一旦温湿布な度で温めた後に行ったり、その部位を伸ばすストレッチングをしたりするなど、別の方法をとる方が組織に負担が掛かりません。

トリガーポイントとは

筋肉の痛みの特徴として、痛みを感じる場所(症状)と痛みの発生場所(原因)は異なることが多いです。原因部位から離れた部位に生じている痛みを「関連痛」と呼び、関連痛を引き起こす原因部分をトリガーポイントと呼びます。

何が原因としてトリガーポイントを作ってしまうのかを簡単に言うと、筋肉にかかるストレスが原因になります。ストレスというのは、繰り返されるムリな動作のことです。ムリな動作が刺激になって筋肉に過度の伸張ストレスがかかってしまいます。そして、急激なストレッチは筋肉の中にある筋紡錘を刺激して伸張反射を起させ、ひどい場合は筋肉に小さなキズを作ってしまいます。

また負荷のかかる姿勢とは、長時間ストレスのかかった姿勢のままでいることで、その刺激も筋肉を短縮させる原因になってしまいます。その結果、老廃物が蓄積されてトリガーポイントが形成されます。そして、トリガーポイントが筋肉に刺激を与えてしまい緊張や痛みを発生させてしまいます。

筋肉に関連した筋膜を通して痛み生じ、関連痛として体の違う部分に現れ、その痛みが刺激となり、筋肉の柔軟性が減少してしまいます。そして、その状態が刺激となりトリガーポイントの形成と筋肉の痛み緊張サイクルをくり返して、慢性的なコリや痛みが発生してしまいます。

首からくる頭痛

猫背など姿勢の悪い状態でものを見続けると首の後ろにある(1)後頭下筋群に頭の重みが一気に集中し、筋肉は縮まって硬直します。さらに、(1)後頭下筋群は目の動きとともに動く一方で、頭を固定する役割もあります。(1)後頭下筋群が硬くなると、その表面を覆う僧帽筋も硬くなるので、うなじから肩全体に重だるい鈍痛がし、さらにその下の頭や目にいく神経を圧迫します。首の後ろにある(1)後頭下筋群・(2)板状筋・(3)頭半棘筋に対しマッサージを行いその下の神経を緩めることで頭痛を引き起こしている原因を取り除きます。

1. 後頭下筋群(こうとうかきんぐん)
【 働き 】 頭部の保持。
悪い姿勢によってこれらの筋肉群が硬直するとその表面を覆っている僧帽筋(そうぼうきん)も硬直し、うなじから肩全体が凝ります。後頭下筋群がある場所には神経が通っており圧迫されると神経は、頭の後ろ側や耳、目など幅広いエリアを支配頭や目、耳の領域を支配する神経が密集しているため、凝った筋肉に圧迫されるとズキズキとした頭痛が併発しやすくなります。
2. 板状筋(ばんじょうきん)
【 働き 】 片側が作用すると、その方向に首が回転し、両側が作用すると顔が上に向く。緊張型頭痛に関連する筋肉の一つ。
3. 頭半棘筋(とうはんきょくきん)
【 働き 】 頭部および脊柱の後屈、側屈、反対側への回旋。 この筋肉は、うつむき姿勢(頭が前傾)したときに頭を支える働きをします。 パソコンやデスクワークで酷使され、ストレートネックや頭痛などの原因筋になります。

首筋からくる頭痛

(1)胸鎖乳突筋や(2)斜角筋といった筋肉があって、これらの緊張が強くなると首の骨が直立に近くなり、頭痛や肩こり、吐き気などさまざまな症状が出るようになってしまいます。
首を前から支える(1)胸鎖乳突筋と(2)斜角筋は頭痛にとても関わりの深い筋肉です。特にデスクワークの多い方は、PCに長時間向かう間に頭部をまっすぐに支えきれず、いわゆるクレーンネック(頭がつり下がった様)の状態になりますので、(1)胸鎖乳突筋や(2)斜角筋は常に緊張状態になります。その結果、首の後ろの筋肉とのバランスが取れず肩こりになったり、関連痛によって頭痛が引き起こされたりすることがあります。

1. 胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
【 働き 】 首の安定、屈曲(アゴを引く、うなずく動き)、回旋(左右に回す)をさせるための筋肉。
この筋肉は様々な頭痛を引き起こしたりすることもあり、また、猫背になる等の姿勢保持にも関係しています。頭と首を安定させて頭を回旋させたり、ものを飲み込んだり、呼吸するときにも大切な働きをします。
2. 斜角筋(しゃかくきん)
【 働き 】 首を支えて安定させたり、頭を側方(左右)へ傾けたりする。
また胸郭を引き上げたりする呼吸筋として機能をサポートする役目もあります。
※この筋肉の緊張により、頭痛や腕にしびれが生じることがあります。(斜角筋症候群)頚椎の横突起(首の骨の横の出っ張り)と肋骨をつないでいる筋肉で、前斜角筋・中斜角筋・後斜角筋と3本あって、その間に腕に行く血管と神経が挟まっています。

他に・・・
「腹部」をほぐします。腹部に力が入った状態では、主たる呼吸筋の横隔膜が十分に緩むことが出来ず、サブの呼吸筋=斜角筋で肋骨を引き上げ【胸で呼吸をする】事になります。これは普通ならお腹で息を吸った後、さらに深呼吸をするときに使う筋肉なので連続使用でダメージを受けます。
腹部をゆるめて、主たる呼吸筋=横隔膜の働きを回復させ、斜角筋を休めて、ゆるめます。

肩・腕からくる頭痛

(1)僧帽筋や(2)大円筋などに疲労が溜まると、肩甲骨を正常な位置に維持できなくなる為、肩が前に出て前屈姿勢になります。すると首と肩甲骨をつなぐ(3)肩甲挙筋が強く引っ張られ、そこに沿って首周辺に新たな硬直が生まれます。脳へとつながる頸椎動脈が筋肉の硬直によって圧迫されると、頭部への血流が大きく妨げられるため、頭痛が生じます。

1. 僧帽筋(そうぼうきん)
【 働き 】
  • 上部…肩甲骨を後退、挙上、上方回旋する。
  • 中部…肩甲骨を後退する。
  • 下部…肩甲骨を後退、下制、下方回旋する。
僧帽筋は後頭部から下部の胸椎までの広い範囲から始まり、肩甲骨周辺にかけて大きな三角形を作っていますので、肩甲骨の動きと深い関係があります。この筋肉は、上部、中部、下部の繊維に分類され、それぞれの働きは違っています。
後退とは、肩甲骨が脊椎の方向に移動すること指します。また、後方から見て右肩甲骨ならば上方回旋が時計回りで、下方回旋が時計回りとなります。左の肩甲骨はこの逆となります。僧帽筋が、全体的に緊張すると、肩甲骨を肋骨に安定し、重いものを持ったりすることが出来るように働きます。
2. 大円筋(だいえんきん)
【 働き 】 肩関節を内旋・伸展・内転する。
大円筋は、肩甲骨から上腕骨に走る筋繊維ですが、回旋筋腱版(ローテーターカフ)には含まれません。小円筋の下に存在していますが、その働きは正反対です。大円筋はその付着が肩甲骨であるため、上腕骨に対して大きな力を発揮することはありませんが、内転する力は上腕骨の伸展に大きく影響します。
3. 肩甲挙筋(けんこうきょきん)
【 働き 】 肩甲骨を引き上げる。
肩甲挙筋は文字通りで、肩甲骨を上方に引く働きをします。この動きは肩をすくめる動作です。
また、上位の頚椎の横突起に付着している為、筋肉の走行は斜め内方です。したがってこの筋肉は、肩甲骨を上方に引くことと同時に内方へ引きます。

頭に求める頭痛の治療

実は体以上に疲れていることも多い『頭』。頭部のマッサージを受けられると、多くの方が、「頭も凝るって知らなかった。気持ちいいですね」とよく言われます。特にパソコンなどデスクワークの方は、首筋の凝り→頭部の血行やリンパ流が悪くなる→偏頭痛や目疲れという流れの方が多く、頭部のマッサージで血行が良くなると、それらの症状が解消する方がほとんどです。

頭部のマッサージでは頭を3ブロックに分けます。

1. 耳の上~頭頂にかけての筋肉
【 働き 】 眉毛を挙上する。おでこにシワを作る。
耳介を後ろ上方に引く。下顎を後方に引く・挙上する。
2. 耳の斜め後方上~頭の後ろ上部にかけての筋肉
【 働き 】 額の皮膚を滑らかにする。耳介を後方に引く。上方に引く。 
3. 耳の後ろ~頭 の後ろ下部へかけての筋肉
【 働き 】 頭部を後方に引く・回旋する・伸展する・側屈する。 

~ ポイント ~

  • 眼精疲労の方は、こめかみやおでこの生え際の辺りを中心にマッサージ。
  • 重だるさには、頭のてっぺんを中心に気持ちのよいところを重点的に。
    特にツボを意識せず凝っていくところを、筋肉をほぐすようにマッサージしていきます。
  • 蒸しタオルや首回しなどで、頭部の下の首筋の血行を良くして流れやすくすると効果抜群です。

よくある症状やお悩みで選ぶ

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